MaaSの新しいサービスが生まれるきっかけになることを期待

Interviewee

坂本 貴史
坂本 貴史
スマートモビリティ事業推進室 室長
株式会社ドッツ

昨年開催された、Mobility Transformationに参加された感想をお聞かせください。

メディアに対して門戸広くアピールされ、取り組み自体も新しいので新鮮味があったのと、登壇する方々が著名な方が多かったので注目度も非常に高かったですよね。

私がモデレーターを務めさせていただいた「移動で変わる都市と生活」のセッションも注目度が高くて、すぐに満席になったと伺いました。私たちのセッションでは「メーカーではない企業がなぜモビリティに取り組むのか?」という内容をパネルディスカッションしたのですが、中身をもう少し深いところまで踏み込みたかったですね。もう少しセッションの時間が長くてもよかったかもしれないです。

登壇前後に何名かの方と名刺交換をして会話をしたのですが、MaaSやCASEに向き合う温度感に結構バラつきがあるなと。実際にビジネスとして取り組んでいる方もいれば、情報取集して機会を伺っている方もいる。それはきっと世論というか、モビリティという巨大なマーケットに対して寄せられている期待とギャップ、にも通じているのかなと、思いました。

坂本さんは今後、移動はどのように進化していくと思いますか?

商業的な配送を含めた「モノの移動」と、生活者の「パーソナルな移動」の2つの方向で分かれて進化していくと思っています。そして、先に進化が訪れるのは前者のモノの移動かと。

ドローンを活用した物流に対する期待やニーズはとても高いですし、想像以上の速さで進化していくと思います。先日参加したセミナーでは、とある行政関係者の方がロードマップの話をしていて、ドローンを活用した配送の実現度合いが15年くらい前倒しすると仰っていました。たしかに物流クライシスなんて言われていますが、事業者サイドが抱えている共通の課題は緊急度も高いので、早く解決する必要がありますね。

一方で、パーソナルな移動はモノの移動よりも時間はかかりますが、モビリティと様々なソリューションの連携が進んでいくと思います。たとえば登壇でご一緒した三井不動産では、カーシェアリングのサブスクがついた戸建ての販売を開始するという記事が日経に出てましたね。これは、”モビリティ”と”不動産”の連携です。また、マイクロソフトでは、”モビリティ”と”仕事”の連携が進むでしょう。こういった様々なサービスが加速的に生まれてくると思っています。

最近では、OMO(Online Merges Offline)と言うくらいなので、モビリティもデジタルでマネジメントするのが大前提の時代です。ですので、Mobility Transformation(モビリティ・トランスフォーメーション)の前にDX(デジタル・トランスフォーメーション)が大事だと思います。移動の進化はDXができている企業から生まれてくると思います。

Mobility Transformationとコラボレーションして「MaaSワークショップ」を開催します。本記事の読者様や、ワークショップに参加される方に期待することはございますか?

どうしても、目の前の課題を改善したい、というニーズがほとんどですし、そこに目が行ってしまうのはわかるのですが、そもそも自社はデジタル化(DX)できているのか?その上で移動はどのように進化していくのか?など、このイベントやワークショップ通じて、新しいMaaSのサービスが生まれるキッカケになったらいいですね。

貴重なご意見、ありがとうございました。ワークショップも頑張りましょう!