- 武田 優人
- セールス&マーケティング ゼネラルマネージャー
- 株式会社モノフル
[本記事は2020年10月29日に開催されたセミナー「物流現場で求められるデジタル変革とは?」の登壇レポートです]
前回はパスコ様による「配車計画」について紹介をいたしましたが、今回は「バース管理」について、モノフルの武田様が講演したセミナーの内容について紹介します。
会社概要
株式会社モノフル 営業統括 武田と申します。よろしくお願い致します。
今回ご参加いただいた方でモノフルという会社を初めて知ったという方もいらっしゃると思います。我々の会社は日本で最も物流施設を保有しております日本GLPという会社のグループ会社です。大規模な物流施設を作り賃貸する物流不動産業を営んでいる会社でございまして、全国で100棟以上、600万平米以上を有しています。昨今では流山や相模原の方で20万坪・30万坪という物流施設の開発をしておりますが、引き続き物流施設の中でもハードの研究をしています。GLPが物流施設を創り続けていく中で、モノフルという会社はソフトサービスをご案内、システム、ソリューションを提供している会社となります。物流の課題は物流施設を作ってるだけで解決しませんので、ハードとソフト両面から挑んでいくということで立ち上がった会社です。会社概要は設立2017年11月でもうじき3年を迎える会社ですが、現在従業員全部で15名、会長社長は日本GLP の社長役員が兼任しています。 大きく分けると4つのチームがございますが、私が所属しているセールスのチーム、プロダクトを作るチーム、エンジニアのチーム、また後ほどご説明いたしますがスタートアップ様・ベンチャー企業様に出資をさせて頂いてるチームがございます。
次に我々モノフルが展開している4つのサービスをご紹介します。
トラック簿:バースの見える化を実現するサービスでございます。後ほどご説明させていただきます。
配車プラス:トラックのマッチングも行える配車支援サービスです。拠点ごとの配車業務を見える化したり他拠点で余ってるトラック、足りないトラックをマッチングすることが可能です。さらに、自グループ内でトラックが足りない場合は外部から簡単調達可能。トランコム様と業務提携をしており、全国どこでも15分以内に即日回答させて頂くというサービス展開をしています。
適材ナビ:多数の派遣会社へ簡単操作で一括発注できる人材サービスです。拠点・センターで一社ではなく複数の派遣会社さんをお使いの方は多いと思いますが、こちらは何名、どういった人が欲しいかという発注をシステムを介して一括で派遣会社さんへ発注できるものです。発注だけでなく当日来た方への簡単受付や日報自動作成として、事前に配布したQRコードを入り口で読んでもらうなどのご支援もさせて頂いております。
着タイム:到着遅延見込み通知サービスで、この後講演されますスマートドライブ社と連携したサービスです。トラックにシガーソケット型のデバイスを挿すことによってGPS情報を取得し、各拠点・センターまた店舗に到着遅延を自動通知できるサービスでございます。
モノフルと致しましては、トラック簿、配車プラス、適材ナビ、着タイムというこの4つのサービスを展開しておりますが、我々はこのサービスのみではなく、パートナー企業様のサービスをご紹介することもございます。
こちら当社のWebページにも掲載しておりますが、我々 GLP・モノフルが提携している企業様、また出資をさせて頂いてる企業様のロゴを掲載させて頂いております。
倉庫スペースに関しましては、もちろんGLPという企業はございますし、SOUCOさんというスタートアップ企業にも出資させて頂いております。大きな倉庫・スペースに関しましてはGLP、 小さく短期間の短期間のニーズがございましたらSOUCOさん、ということで施設・スペースのサービスをご提供しております。
労働力という文脈では、ロボット・人材ということで画面左側に2つございます。左上が先程ご案内させていただきました人材適材ナビ、左下がロボットというところです。
一番上の+Automationという企業は、GLPと三井物産、豊田自動織機3社の合弁会社です。こちらの企業はロボットを開発している企業ではなく、ロボットをサブスクリプションで提供している会社となります。多くの企業様、特にアパレル企業様にご利用いただいておりますが、このように労働力という面では人間(適材ナビ)とロボットの両面でカバーさせて頂いております。
残りは倉庫の外側、輸配送の領域です。本日ご案内させて頂きますバース管理や、右上の配車/マッチングとして配車プラス、トランコム社やパスコ社とも業務提携させていただいております。動態管理につきましては本日登壇されるスマートドライブ社やフレクト社とも業務提携しており、最後に損保険分野ではあいおいさんとも業務提携をしております。
15名という少ない人数でやっておりますので、当社だけではなかなか物流の課題全てを解決することは難しいものの、業務提携や資本出資をさせていただくことで、パートナー様がお持ちの優れた技術やマーケットを活用し、スピード感をもって展開させて頂いております。
「トラック簿」サービス概要
次にトラック簿のサービス概要に移りたいと思います。
本日ご参加頂いてる企業様は基本的に物流に携わる企業様が多いと思うので、今更何をと思う方も多いかと思いますが、バースは企業ごとに様々な言葉で表現されており、ドック、発着台、と呼ばれることもございます。本日ご案内差し上げるのは、車・トラックをつけて荷積み荷降ろしをするこの場所を効率化するサービスです。
今回は受付、現場、ドライバーという三つの軸でお話をさせて頂きますが、それぞれ顕在化してる課題と潜在的な課題がいくつかございます。
一番真ん中の、時間帯によってバースが混雑しクレームが発生してしまっている、というのは分かりやすいのではないでしょうか。また、受付簿は手書きでやられている方が多いと思いますが、手書きだと読み間違いによって電話が通じないといった課題も発生します。コンプライアンス上の観点からしても、名前と電話番号という個人情報を他の方が見れる場所にさらしておくということが問題になっています。この辺りは会社の規定上リスクになってくることもあるでしょう。
こういったお悩みをすべて解決するソリューションが、今回ご案内するトラック簿だということでご認識いただければと思います。
トラック簿で出来ること
こちらは基本的に、今やっている運用がデジタル化・システム化されるということでご認識いただければと思います。
ドライバーさんがセンターにお越しいただきましたら、タブレットかパソコンの方で受付(①)して頂きます。受付の内容は、受付の方だけではなく現場にも共有できるようになります。②はバース管理で、こちらの画面で受付の状況、バースの状況がどちらも共有できるようになります。現場から直接ボタンを押していただくことでドライバーさんに呼び出し(③)をかけることができる。この三つをぐるぐる回して行きますとデータが蓄積されていきますので④のデータ分析ができる。こちらの4点がトラック簿の基本的な機能でございます。
ドライバー受付:ドライバー受付の画面は、飲食店の入り口に置いてあるようなタブレットと似た形式をとっており、まずは入退場を、その後電話番号を押していただくという仕組みになっております。こちらでペーパーレスの受付ですとか、カスタマイズをしていただくことでドライバーさんの負荷を下げることも可能です。お客様へご案内する中で、「高齢のドライバーさんは使い方が分かるかな」というご質問をいただくこともありますが、2020年9月現在では3万人を超すドライバー様にお使いいただいております。トラック簿をどこかでお使いいただければ、別の拠点においても初回登録が不要となってきますので、徐々に使い方を覚えていただいたり、入力の手間がどんどん省けていくという設計になっております。
バース管理、呼び出し機能:バースの管理画面は、後ほどデモンストレーションでご案内させて頂きますが、非常にわかりやすいという評価を頂いております。通常業務で使われてる Outlookのカレンダーに似たものでして、縦が時系列、横がバースを表しております。ページにアクセスしていただくことで、受付状況やバース状況を誰でもどこからでも簡単に確認することができます。指定トラックを呼び出すこともでき、ボタンひとつでショートメールもしくは LINEアプリにてご案内をすることができます。アナログの対応ですと、受付の状況がバースで確認できないだとか、呼び出すためにわざわざ事務の方が動いているというセンターが多くございますが、こちらの機能を用いることによって、バースから直接ドライバーさんを呼び出すことが出来ます。
データ分析:トラック簿は実績のダッシュボード機能も持っております。こちらは計測可能項目について、日ごと週ごと月ごとに、グラフが自動的に作成されます。CSV出力ももちろん可能ですが、お忙しいセンターも多くございます。トラック簿では、まずはグラフを見て頂いくことで、何時台が多かったのか、今日は良かったのか悪かったのかという管理が簡単に出来るよう、こうしたダッシュボードの機能をもっております。
トラック簿でできることの基本機能をご説明させていただきましたが、他にもいくつかオプションのご用意がございますので、ここではスマホ受付、受付カスタマイズの二つの機能を簡単にご説明させていただきます。
スマホ受付:名前の通り、現場に来なくてもトラックドライバーのアプリから受付をすることができます。最近引き合いの多い非接触の受付ということが実現できますし、ドライバーさんの呼び出しメール、既読未読を判定もできるため、多くの方々にお使いいただいております。
受付カスタマイズ:受付入力の項目追加や選択肢の設定などがカスタマイズ可能となっております。また、伝達事項を追加することで、アルコールのチェックや体温の確認の確認もできます。
料金プラン
料金プランについてもご説明させていただきます。
本日デモンストレーションさせて頂きました、受付をして呼び出して実績を管理していくという基本的な受付システムに関しましては、フリープランで全て利用出来るようになっております。
初期設定料(一箇所あたり5万円)と、呼び出し・ショートメール一通あたり20円という従量課金の部分はございますが、月額基本料ゼロ円で、受付、呼び出し、実績管理ができるようになっており、皆様導入しやすい・検討しやすいとお声をいただいております。
今日は時間の関係でご案内させていただいておりませんが、スタンダードプランでは、バース予約という機能も追加されます。事前に倉庫側や運送会社側から好きな時間・好きなバースに予約をしていくという機能でして、いまアナログで予約の運用をしている、また、今後予約運用を行っていきたいという拠点へ、運用をお伺いしながら適したプランを紹介させていただきす。プレミアムプランにつきましては10万円からという少し高価なサービスになっておりますが、サービス連携が可能なプランでして、お持ちのCMS、WMS、基幹システムとAPI 連携・サービス連携をすることが可能となっています。先程パスコ様のパートで、LogiSTARというシステムから自動的にトラック簿へ連携されるとご案内いただきましたが、こちらのように外部サービスと連携をして予約する手間が省けるですとか、実績を基幹システムの方に吸い上げるという連携につきましては、このプレミアムプランを申し込みいただく形になっております。
オプションにつきましては、スマホ受付、受付カスタマイズを月額課金でいただいております。スマホ受付につきましては月額1万円頂戴しておりますが、ただいま年内に申し込んでいただけたら12月末まで無料というキャンペーンをしています。
また、自分の拠点にはどういうプランが良いのかというご質問をいただくことが多いのですが、お引き合い頂く方の課題には、そもそもバースがかなり混雑していて待機問題を解決したいというお話しを頂いたり、待機というよりはバース周りにアナログな作業が残っているので作業効率化を図りたい、という根本的に違う二つの課題があると思っております。
さらに待機問題を解決したいという全社の場合は、既にFAXやメールといったアナログで予約運用をしているパターンと、予約運用をするのはなかなか難しいというパターンがあると思います。
それぞれの課題別にどういったプランをご利用頂いているのか、Webページに導入事例を掲載しておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
https://monoful.co.jp/casestudy
ここでは2つの企業様の事例をかいつまんでご紹介します。
ダイキン工業様:既にメールとエクセルで予約の運用されていたのですが、そのメールのやり取りに時間をかけられているということでしたので、我々のサービス内で予約をしていただくように運用を変えることで、構内の作業時間を削減できるだけでなく、待機問題や待機時間も削減もできております。
トランコム様:現在フリープランお使いいただいておりますが、ドライバーリフト、事務所の情報連携にかなり時間をかけていたということで、導入コストが安い我々のフリープランをコミュニケーションツールとしてお使いいただいております。
詳細は全てホームページに載っておりますのでお時間ある方はぜひ覗いてみてください。
構内滞留時間を構成する要素
最後に、構内滞留時間を構成する要素についてお話させていただきます。
色々と現場でお話を伺うことでわかってきたのですが、ドライバーさんが構内に来てからの構成時間を内訳で細かく見てみると、例えば受付までの移動時間、入場時に受付を処理する時間、呼び出しまでの待機時間、待機場所からバースまで移動する移動時間、荷物の積み下ろしなどの作業時間というもので構成されています。これらを皆様の拠点で、どこがネックになっているのか、どこが長いのかということによって、最適なサービスやプラン、オプションが変わってくると思っております。
例えば受付にかかっている時間が長くなってしまっているのであれば受付カスタマイズというオプションが最適解になりますし、受付までの移動時間、つまり待機場所から受付事務所まで上がってくるのに時間がかかるというお客様に関しましては、スマホから受付できるスマホ受付のオプションが最適でしょう。
それぞれの時間をどう短くするかによって、おすすめするプランやオプションが変わってくると思いますので、ぜひご商談の際には、現場のオペレーションを詳しく聞きながらセンターに応じたプランをご紹介させていただければと思っています。
また、本日私からは、バース管理についてご案内させていただきましたが、輸配送においては、配車計画、求貨求車マッチング、動態管理、運行計画、この5つを機能連携・情報連携することが大事であると考えています。配車の情報をバースの予約に紐付けていく、車が足りなかったらマッチングしていく、マッチングをした車両は運行計画や動態管理に紐付けていく…このような連携が非常に大事だと思っております。今後我々でもこれらを網羅するサービスをつくりつつ、パートナー様とも連携をしながらこの連携の輪を強固なものにしていきたいと思っております。ご清聴ありがとうございました 。